夏のノベルティや記念品として人気の「名入れ扇子」。
いざ制作しようとすると「どの印刷方法を選べばよいのだろう」「データ作成に特別なルールはあるのだろうか」と悩む方も多いのではないでしょうか。扇子は独特の形状をしているため、一般的な印刷物とは異なる注意点があります。そこで今回は、名入れ扇子の主な印刷方法の違いや特徴、データ入稿時に気を付けたいポイントについて分かりやすく解説します。
どれを選ぶ?「名入れ扇子」3つの印刷箇所
扇子へ名入れ印刷できる箇所は、大きく分けて「親骨」「中骨」「扇面」の3種類があります。
予算やデザイン、納期によって最適な方法を選びましょう。
【親骨名入れ】の特徴と失敗しないための注意点
「親骨への名入れ」は扇子を折りたたんだときに一番外側に見える、太い竹の骨(親骨)にロゴや社名を印刷・彫刻する方法です。
既製柄の扇子を使用するため、低コスト・短納期で作れるのが最大のメリット。バラマキ用で予算を抑えたいときや、シンプルな名入れで高級感を出したいときにおすすめです。
親骨にオリジナル印刷ができる扇子一覧
親骨名入れ:印刷方法による仕上がりの違い
親骨への名入れは、表現したいデザインや予算によって最適な印刷・加工方法が異なります。つぎは、代表的な3つの手法とその仕上がりの違いについて見ていきましょう。
パッド印刷(1~2色)
インクをスタンプのように親骨に転写する手法。コーポレートカラーをしっかり表現したいときや、視認性を重視するときに向いています。
パッド印刷は、比較的安価な印刷形式のため販促品・ノベルティ向けに広く採用されています。
インクジェット印刷(フルカラー)
多色カラーのロゴマークを再現したい場合に使われます。表現の自由度が高く、オリジナリティを出せます。
レーザー彫刻
竹の表面をレーザーで焼き削る手法で、インクを使わないため「さりげない品格」が漂います。企業の主張を抑えた周年記念品や、和の風合いを活かしたいインバウンド向けギフトに最適です。
親骨名入れ:データ入稿時の注意点
完全オリジナル作成に比べ、手軽さが魅力の「親骨名入れ」ですが、いざデータを入稿するとなると、いくつか注意すべきポイントがあります。それは、扇子のベースが「竹という個体差のある天然素材」であること、そして「名入れできるスペースが限られている」という点です。
せっかく作ったのにロゴが綺麗に見えない……という失敗を防ぐために、事前に確認しておくべき印刷・データ作成の注意点を3つご紹介します。
細すぎる文字、小さなロゴは潰れやすい
親骨の印刷スペースは非常に細いため、複雑な漢字や小さな英字、細い線はインクの滲みやレーザーの熱で潰れて読めなくなるリスクがあります。できるだけ太く、シンプルなフォント(ゴシック体など)を使用しましょう。
「親骨の色」と「インクの色」の相性を確認する
扇子に限った話ではありませんが、 たとえば黒竹(黒く塗装された竹)に濃い黒インクでパッド印刷をすると、文字が背景に沈んで見えなくなってしまいます。黒竹の扇子には白やゴールド、白竹やすす竹の扇子には視認性の高いハッキリした印刷色を選ぶのが鉄則です。
レーザー彫刻の「焼き色ムラ」を考慮しておく
竹の密度や水分量によって、同じデータでも焼き色が濃く出る部分と薄く出る部分という「個体差」が必ず生まれます。レーザー彫刻にはインクには出せない質感がありますが、均一な仕上がりを求める場合は、インクを使う「パッド印刷」が安心です。
【中骨名入れ】の特徴と失敗しないための注意点
「中骨への名入れ」は、扇子を閉じた状態で見える中骨(細い竹骨)部分に社名やロゴ、メッセージなどをレーザー彫刻する印刷方法です。
中骨にオリジナル印刷ができる扇子
中骨印刷の特徴
扇子を開いて使用している際は名入れが目立ちにくく、閉じた状態でのみデザインが現れるため、控えめながらも高級感のある仕上がりが魅力です。扇面のデザインを邪魔することなく、企業名やロゴ、記念メッセージを自然にアピールできます。他とはひと味違うオリジナル扇子を製作したい方や、周年記念品・贈答品として特別感を演出したい場合にもおすすめです。
中骨印刷:データ入稿時の注意点
中骨への名入れは、複数の骨にまたがってデザインを配置します。仕上がりをきれいに見せるため、データ入稿時には以下の点に注意が必要です。
線幅・文字サイズに余裕を持たせる
中骨名入れは、複数の細い骨にまたがって印刷(彫刻)を行います。そのため、細い文字や繊細な線、複雑なロゴは表現しづらく、仕上がりによっては見えにくくなる場合があります。視認性を高めるためにも、太めの文字やシンプルなデザインがおすすめです。
竹の色や個体差・レーザー彫刻の「焼き色ムラ」を考慮しておく
中骨は天然の竹を使用しているため、白竹・すす竹・黒竹といった色差だけでなく、一つひとつ木目にも個体差があります。そのためレーザー彫刻の見え方や濃淡も均一にはならず、仕上がりの印象にも個体差が発生する場合があります。細い線だけのデザインよりも、面積の大きいロゴなどを印刷した方が安定して見えやすくなります。
【扇面オリジナル印刷】の特徴と失敗しないための注意点
「扇面へのオリジナル印刷」はその名のとおり扇子の紙や布(扇面)に、オリジナルのデザインを印刷する方法です。骨を組み立てる前の平らな紙(地紙)の状態で印刷する場合が多いため、写真や複雑なイラストも綺麗に表現できます。
扇面(全体)にオリジナル印刷ができる扇子
扇面オリジナル印刷の特徴
「扇面オリジナル印刷」の最大の魅力は、圧倒的なインパクトとデザインの自由度にあります。
扇子を開いたときの扇面全体を自由にデザインできるため、キャラクターグッズやイベントの物販品、企業のブランディングツール・ノベルティ作成に人気の手法です。
しかし、扇面オリジナル印刷は平らな紙に印刷した後に、折りや骨に貼り付ける作業工程が発生するため、既製品を使う親骨名入れに比べてコストが高くなりやすく、納期も1ヶ月以上と長めになる傾向があります。
制作にあたってはコストと納期に余裕を持っておくとよいでしょう。
扇面オリジナル印刷:データ入稿時の注意点
扇は特殊な形状をしており、扇面オリジナル印刷の場合、裁断・組立加工が入るため、データ入稿時には以下の点に注意が必要です。
「扇形」の専用テンプレートを必ず使う
平面をイメージしたデータのまま入稿すると、扇面に印刷した際、デザインの端が切れてしまったり、不自然に傾いたりします。必ず業者が用意している専用テンプレートをダウンロードして作成しましょう。
「塗り足し」「保護範囲」の指示に従う
扇子の扇面は印刷した後に紙を裁断します。裁断時には数ミリの「ズレ」が生じます。端に白い余白が出てしまうのを防ぐため、仕上がり線よりも外側まで色や柄を伸ばしておく「塗り足し」を必ずデータに用意するようにしましょう。
同じく「保護範囲」にも注意が必要です。保護範囲とは、文字やロゴなど重要なデザイン要素を配置するための安全領域を指します。仕上がり線の近くに重要な要素を配置すると、裁断時のズレによって文字が欠けたり見切れたりする恐れがあります。
デザインデータを作成する際は、各テンプレートに記載されている塗り足しや保護範囲の指示に従い、余裕を持ったレイアウトを心がけましょう。
まとめ
扇子は一般的な紙の印刷物と異なり天然の竹素材で、印刷箇所の形も特徴的なため名入れ印刷には少しコツが必要です。しかしポイントさえ押さえれば、夏の販促品としてこれ以上ないほど実用的で喜ばれるノベルティや記念品になります。
予算を抑えてシンプルに仕上げたい方は「親骨名入れ」、オリジナリティを最大限に表現したい方は「扇面オリジナル印刷」がおすすめです。
「初めての扇子制作で、データがうまく作れるか不安……」という方もご安心ください。
ギフトイットの【
名入れ扇子 特集ページ】では、今回ご紹介した印刷形式に対応している扇子の詳細なスペックや、そのまま使えるデータ入稿用テンプレートをご用意しております。デザインデータのご用意が難しい場合は、印刷用データの作成・加工も承ります。
まずはお気軽に特集ページをご覧いただき、お好みのアイテムを探してみてください!
この記事を書いた人
田中N美|株式会社ギフトイット WEB制作・マーケティング担当
販促品・記念品業界10年以上。ECサイト「ギフトイット・ノベルティ」のWEB制作を担当。販促ツールのご提案を通して、お客様と他社との関係性強化やビジネスチャンスを広げるお手伝いをしています。趣味はサッカー観戦と時短調理を極めることです。